日々つれづれ2

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カジノ・ロワイヤル(小説版)/微妙にネタバレ

10ウン年ぶりに再読。前回読んだときは偉く後半がタルい話だと思ったけど、思いのほか面白く読めた。確かに後半はタルいですけどね。年を取ったってことでしょうか。それはそれとして思わぬ発見がちらほら。
1:ボンドは男性優位主義者だが女好きという描写はない。むしろ仕事の鬼で情事に飽いた人物として描かれる。
2:そんなボンドが敵の拷問で性的不能になりかける。
3:性的機能が回復したボンドはボンドガールと結婚をマジメに考える(しかし悲劇に終わる)
1→2→3を経てボンドはアイデンティティを取り戻し、小説版の最大のライバルであるスメルシュ(=KGBの粛正部隊)を得るという筋書き。まさに壮大なプロローグ。でもって他にも幾つか。
4:いきなりMI6の人間が裏切る(マジ!?)
5:敵の親玉(=ル・シッフル)がバカラでイカサマをしない。
6:ラスボス(=スメルシュの殺し屋)がハッキリしない。
特に5は驚いた。ボンドの任務はル・シッフルをバカラですってんてんにすること。そのル・シッフルがボンド相手に土壇場でイカサマをしない。まるでクリープのないコーヒーのようだw はたして映画版ではどうなるんでしょうか? ダニエル・グレイブの悪人面(まるでロシアから亡命してきた元KGBの情報部員みたい)も意外とハマるんじゃないか、とすら思えてきた。ドラえもんと同じで、やっぱり迷ったら原点に戻れ、ですかね。