日々つれづれ2

はてなダイアリーから引っ越しさせました

任天堂とそれ以外

TGSが終わって一服感があって忘備録のためのメモですが、今年はGDCからこっち、サードパーティの偉い人による「足下の見つめ直し」的な発言が続きました。CEDECの稲船さんとか、TGSの和田さんとか。OGCの松原さんの講演も、広い意味ではそれに含められるかもしれない。新世代機が出そろって約2年で、いよいよ今までの方法論が通用しなくなってきたのがわかってきて、もっかい出直そうという感じでしょうか。CEDECも体制が刷新されて、もろもろ業界的に危機意識が高まってきたのも良いことだと思います。ただ、その一方で今年は何度か「ゲーム業界は任天堂任天堂以外に分けて考えた方がいいんじゃないか」的な発言を耳にしました。いや、まったくその通りだと思います。そしてこれが、数年後にどんな影響を及ぼすのか、これから注目していきたいなと。TGSの基調講演では各社のトップが欧米市場に注力していく姿勢を示しましたが、これはWiiやDSがユーザー層を広げたと言っても、ここ数年の国内市場が頭打ちで、一方で海外市場(特に欧州)が拡大したことが背景にある気が。そりゃ海外でも任天堂が強いとはいえ、だったら伸びてる市場に力を入れるのは当然でしょう。国内と違ってハードコア向けのゲームが大ヒットする土壌も(まだ)ある。そのためには今のうちからEAやUBI、アクティビジョンリザードなどとマジでガチンコ勝負できる体制を整える必要がある。それには企業体力や営業力の拡充だったり、人を増やすことだったり、海外で売れるゲーム作りだったりと、いろいろありますよね。和田さんの言う産業のネットワーク化も必要でしょう。でもこれってバリバリのレッドオーシャンです。んでもって据え置き型のコンソール、もっといえば既存のアーキテクチャの延長線上にあるプラットフォームでの技術開発が前提になっているのは言うまでもない。その上でのグラフィックや物理やAIや分散処理の技術進化だったりするわけです。ゲームデザインと違って技術開発は積み上げですからね。一方で任天堂は企業のDNAがゲームではなく玩具ですから、体質的に一人で新しい市場を作って一人で儲けるブルーオーシャンDSiでもカスタマイズでマイDSの世界を目指す&Wiiウェアに続いてDSiウェアを整備して、ゲーム以外にツールソフトなどもアリと言われてましたが、要は「今までにないモノを作ってユーザーを驚かせられればビジネスになる」わけです。んでもって、ここ数年の成功例が「遊びの視点で日常を再定義する」、具体的には脳トレWiiフィットでした。でもってDSiが「つなぎ」ハードであることは多分自明だと思うんですが、じゃあ次の携帯ゲーム機が単純に「スーパーDS」になるとは考えにくい。もっと人々の期待を「良い意味で裏切る」ものでなければ、任天堂の存在価値自体が否定されてしまいますからね。そもそも単純にハード的な進化で物事を語る時代は終わっている。それよりもハード&ソフトとネットワークとサービスの3点セットの進化でライフスタイルの提案なんでしょう。ニンテンドーwi-fiコネクションを自社で構築したように、携帯ゲーム機を外に持ち出して、もっといろいろできる環境を作ってしまうとか(ニンテンドーゾーンも始まるし)。ごめんなさい、あくまで憶測ですがw でも仮にそういう環境なり、次の携帯ゲーム機ができたとして、やっぱりそこで売れるのは任天堂のソフトだけという世界が、再び来ちゃうような気がせんでもないんですよね。そもそもゲーム的なモノで熱中させたいのか、玩具的なモノで驚かせたいのかで、出目がばっつり分かれているのは、一つのキーポイントなのかなあ、という気がします。もっとも、任天堂もマリオやゼルダは作り続けていくでしょうし、「陣営」の厚みが大切なのも承知のはず。サードパーティにも任天堂ライクなソフトを作っていくラインはあるでしょうから、そんなに単純なモノでもないとは思いますけどね。とはいえ一つだけいえるのは、これまで日本のサードパーティは一番売れるハードにべったり寄り添って成長してきたのが、いよいよそうはいかなくなったことが自明になった。その意味で大人になった、節目の年だったなあということです。ちなみにここに書いたのは全部僕の妄想ですから、そのつもりでw あと、どっちが良い悪いという話でもないので誤解のなきよう。でも数年後のことすらわからないのに、それを見越した戦略を立てる必要があるなんて、ゲーム業界(特にサードパーティ)の経営者はホントに大変ですね。




おかかの二段重ねに海苔ごはん。おかずは塩鮭+焼売(総菜)+蓮根のはさみ揚げ(冷凍)+きんぴらごぼう(総菜)+キュウリとパプリカのサラダ。おかずが足りなくて、あわてて冷凍庫から蓮根のはさみ揚げを出してきてチンした次第w