日々つれづれ2

はてなダイアリーから引っ越しさせました

115円vs5000円

あくまで個人的な感想なのでアレですけど、その昔サイバーステップさんの「ゲットアンプド」を初めて遊んだとき、何がおもしろいのかさっぱりわからなかったのを覚えています。何というかゲームとして隙が多すぎて、β版というか。コンソールのアクションゲームの感覚で見ていたからで、まだまだ作り込めるし、作り込まなきゃいかんだろう、みたいな。ことろが日本ではパッとしませんでしたけど、韓国、中国で大ヒット。今では世界でもっとも遊ばれている国産オンラインゲームの一つにまで成長したのはご承知の通り。いや、ご承知でない人の方が圧倒的かもしれないですね。僕らは良くも悪くも日本人ですから。日本のことだけ見ていると、なかなか世界のことがわからない。でもって世界市場の方が圧倒的に大きい。個々のテリトリーは小さくても、全部まとめると東南アジアだって結構大きい。少なくともベンチャーにとっては、という感じでしょうか。
というのもGDC報告会でもいろいろ議論になりましたけど、つまりはそのiPhoneです。iPhoneの国内販売台数だけを見ていると商売にならないって思われる人が多いと思いますが、でもその後ろにiPod touchがあるんですよね。幸か不幸かアップルが国内の販売台数をきちんとアナウンスしていないこともあって、日本でiPhoneが不振→参入する価値なし、てなイメージがついちゃってますが、touchまで含めると日本でもそこそこの数なんじゃなかろうか。いわんや全世界をやって感じで、もうちょっと視野を広げた方がいいのかしらん、という印象です。少なくともitunesでAPPの設定を変えれば各国ごとの販売ランキングがすぐにわかる。こんなビビットに個々のエリアのタイトルトレンドがわかるプラットフォームは今までになかったという印象です。
でもって今年のGDCの岩田さんの基調講演の任天堂関係者席で、iPhoneを触っていた人の多かったことw これ去年まではみんなDSを遊んでいたんですよね。それが今年はiPhoneでした。たぶんE3でも同じでしょう。もちろん大半はメールチェックをしていたはずですが(逆にブラックベリーユーザーの数が激減していたのも興味深かった。まあゲーム業界ですからね・・・)、それにしても象徴的だったような。。。たぶん京都でもiPhoneなりipod touchユーザーは結構いると思います。「おもしろい物には眼がない」人たちという印象ですから、遊んでないわけがない。危機意識を持ってなければ嘘でしょう。いや、あくまで個人的な印象なので、ホントは全然違うもしれないw まあ妄想乙ということで。
ただAPP Storeで人気のゲームって、大半が0.99ドル=115円のゲームなんですよね。でもって、これが結構おもしろい。Flight ControlとかiDraculaとか。もうちょっといって230円のつみネコとか350円のFierldrunnersとかエレメンタルモンスターTDとか。もちろん、こういったゲームってコンソールのタイトルからみれば「隙だらけ」なんですけど、いや結構おもしろいですよホントに。APPで儲かってるのは一握りなんて言われますけど、でもそんなもんでしょゲームビジネスって。ユーザーレベルでいえば、そこそこおもしろいゲームが安く遊べれば嬉しいんですよね。なんたって無料のモバゲータウンがこれだけ人気なわけですし。この携帯電話による広告モデルによる無料ゲーム&コミュニティというビジネスモデルは日本が先行しているわけで、これがどう欧米のモバイルプラットフォームに展開していくか注目です。というかFacebook+アンドロイド携帯って普通に考えるだろ、という印象なんですがどうなんでしょうか? 日本でもmixiケータイとか出ないかな。今でもXbox360PS3のフレンド機能とかありますが、オンライン時代のコンソールのデスクトップってSNS的な機能が必須と思うんですけど、どうなんでしょうね。ハードコア=コンソール、カジュアル=携帯ゲーム機、よりパンピー=モバイルetc、あとPCオンラインゲームっていう風に棲み分けができると良いんですが・・・。
というわけで長い前振りで恐縮ですが、PSP2の噂がちらほら出ているじゃないですか。ネットワーク配信でUMDレスになるとか。それ自体は大変結構なんですけど、でもソフト1本の価格って、やっぱり5000円くらいなんでしょうか? 一方で115円でそこそこおもしろい世界があるわけで、日米欧のコンソール向け開発者は、この急速なデフレ&同人ゲームの山と同じ土俵でビジネスをしなくちゃいけなくなる予感。世界中で売れる一握りのAAAタイトルvs圧倒的多数の同人ゲーム、みたいな。しかもここ数年で急速におもしろいゲームを作るノウハウみたいなものが、世界中に浸透しつつあるような。。。今は欧米のディベロッパーが中心ですけど、あと5年〜10年しないうちに、エマージング市場といわれる中国、ブラジル、メキシコ、インドなどで、安い人件費のゲームが世界を席巻する時代になるのではなかろうか。煽ってるわけではないですが、まあ備忘録的なメモでした。