日々つれづれ2

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CONTAX T2

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new FM2を買ってすぐ、大型対談企画があり、編集補助を命じられたので、喜び勇んでカメラを持参しました。結果はピンボケの嵐でした。観念してメガネを買いました。すっかり近視になっていたのです。その後すぐ、同じような取材があり、やっぱりピンボケになってしまいました。メガネだけの問題ではありませんでした。そこでボーナスの残りをはたいて買ったのが中古のContax T2でした。それ以来、取材では両方のカメラで撮影するようになりました。これでぐっと失敗率が減りました。

T2はバブル経済の絶頂期に発売され、高級コンパクトカメラというジャンルを切り開いた記念碑的なカメラです。チタン製のボディ、サファイアガラスを用いたファインダー、Carl Zeiss SONNAR T* 38mm F2.8レンズなど、カメラを所有して触る喜びを提供してくれます。定価が12万円でしたが、当時の中古価格は確か5万円くらいでした。同じ中古でもnew FM2より高かったのを覚えています。まあ、レンズ込みだと同じくらいなんですが……

それまでコンパクトカメラといえば「安かろう悪かろう」というイメージでしたが、T2はまったく違いました。印刷物のクオリティに耐えうる写真が、比較的誰でも手軽にとれました。絞り優先オートも直感的で分かりやすいものでした。もっとも構図によっては中抜けしやすく、AFロックの効果が分かりにくいのが玉に瑕でしたが……。とはいえ、小型で軽量で高性能なので、後輩にどんどん貸して使わせました。カメラ初心者にとってnew FM2は荷が重いと感じたからです。その考えは正解でした。

ただ、当時は軽いボケボケ病(背景がぼけた写真をありがたがる)にかかっていたので、パンフォーカス気味にとれるT2の良さがイマイチよくわかりませんでした。「絞りが開放だと緩め、ちょっと絞るとキリリとシャープになる」と言われても、実際ピンと来る絵がとれませんでした。それよりもnew FM2で50mmや135mmのレンズを使い、ボケを生かした写真を撮る方がわかりやすかったですからね……

もっとも愛着はひとしおだったので、new FM2を売却した今でも、T2は手元に残っています。生まれた初めてポジフィルムで撮影したのも、このカメラでした。山歩きにもっていって、地面に落としてフィルム抑え板が外れましたが、まだギリギリ修理がききました。今でも思い出したように持ち出して撮影しています。もう買って20年以上になりますが、まだまだ現役で活躍中。うちで最古参のカメラになっています。

 

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