日々つれづれ2

はてなダイアリーから引っ越しさせました

RICOH Caplio PR30

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COOLPIX 950は良いカメラでしたが、いかんせん機動力にかけました。特にその頃から増えてきた講演取材をスムーズに行う上でスライド写真を手軽に取れる、よりコンパクトなカメラが必要でした。そこで買ったのがCaplio PR30です。2000年の年末にアキバの露天商で中古を衝動買いしました。価格は一万円で、中古の市場相場とほぼ同じだったことを後から知り、驚きました。

Caplioフィルムカメラで一斉を風靡し、後に高級コンパクトデジカメでも人気を誇るGRシリーズを生み出したリコーのデジカメブランドです。軍艦部にある設定ダイアルの内側にシャッターボタンを入れた独特のシャッターユニットが特徴で、PR30は代表的な機種の一つでした。AFの他にピント固定のスナップモードがあり、うまく使えばリレーズラグ問題が解決するかもという期待がありました。

結果はボロボロでした。電源をオンにしてから撮影可能になるまでの時間が遅かったのです。スイッチを入れると半歩遅れてウィーンとレンズがせり出し、ようやく撮影可能になるという感じです。しかも電源を入れ直すたびにズームレンズの位置が広角側に戻ってしまい、そこからズームして撮影する仕様だったので、さらに撮影が遅れました。かといって電源を入れっぱなしにしておくと、すぐにバッテリー切れをおこす始末。何度かスライドを取り逃がして、「これは講演取材では使えない」とサジを投げました。

室内のスナップ撮影も内蔵ストロボでは光量が不足気味でした。ISO800で撮影した写真は、たとえストロボを焚いてもガビガビでした。バッテリーは単三乾電池2本で、当時はまだエネループなどがなかったため、チャージも遅く、すぐに消耗しました。そんなこんなでプライベートではそこそこ使ったものの、次第にお役御免になっていきました。

こんな風に衝動買いで買って、使わなくなるというダメな買い物の典型例であり、不幸なカメラでしたが、その実力を見直す機会がありました。2009年にサイクリングの際、「落として壊れても惜しくない」という理由で持っていったところ、思わずシャープな絵が撮れてビックリさせられたのです。JPGの撮って出しでは微妙でしたが、フォトレタッチソフトで修正すると、土手の緑や青空のヌケが素晴らしく、感心させられました(さすがに逆光ではメタメタでしたが...)。

また当時のデジカメは液晶の輝度が低く、日差しが強いとほとんど見えなくなったので、多くの機種で光学ファインダーがついていました。本機にも申し訳程度の光学ファインダーがあり、まるで井戸の底を覗くようなものでしたが、あるとないとでは大違いでした。液晶をオフにしたままでもファインダーを覗けば撮影できたので、バッテリーの節約になったのです。

なんというか、カメラというのは戸外でたっぷりとした光量のもと、順光で撮るものなんですよね、やっぱり。そんな基本を思い知らされました。今でもスキー場に持っていったりすると良さそうな気がします。

 

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