日々つれづれ2

はてなダイアリーから引っ越しさせました

山下清

日曜日は東京ゲームショウ・・・じゃなくて、上野の森美術館山下清展を見てきました。いや、さすがに4日連続ゲームショウはしんどかったのでw 僕の世代だとテレビ「裸の大将」&故・芦屋雁之助そしてダ・カーポの主題歌で有名な山下清画伯ですけど、展覧会を見るのはこれが初めて。結論としてヒジョーに良かったです。もうね、ゲーム業界の開発者は全員見るべきですね絶対。理由その1「やらされている感がない」。当たり前ですけど、すべて好きで描いてるわけで、作品から楽しそうな感じ、嬉しそうな感じが伝わってきて、見ているこちらまで幸せな気分になってきます。ほら、よくあるでしょテレビゲームでも遊んでいて「これ仕事で仕方なく作らされたんだろうなー」なんて画面から感じることが。そんなの全然ありません。理由その2「技術に踊らされていない」。数は少ないんですけど、山下清って油絵も描いてるんですね。ところが描き方がすごくて、絵の具のチューブを直接キャンバスに当てて、点描画みたいにして描いてる。決して筆とかパレットとか使ってないんです。だから完成した絵は、ちぎり絵だろうが油絵だろうが一緒。テレビゲームは技術進化と共に表現力が拡大してきて、それはそれで良いんですけど、でも技術に振り回されてるモノも多いですから。いろいろ考えさせられます。そして理由その3「コストがかかってない」。そりゃちぎり絵ですからね。色紙と糊だけですからね。ハイテクなことをするのが偉いんじゃないんです。いやー心に深く突き刺さりますなw あと抜群の記憶力で細かいところまで正確に描写されてるんですけど、でも所詮ちぎり絵ですから、細部は抽象化せざるを得ない。この正確さと抽象化の塩梅がホントにホントにすごいんですよ。あと風景とか建物とかはリアルなんだけど人物はホントに下手でエジプトの古代遺跡の壁画みたいで遠近感メチャクチャだとか、でもそれが味があっていいというか、ちぎった色紙を手前から奥に貼っていくモノと奥から手前に向けて貼っていくものがあって、ミョーな遠近感になっているとか、色紙を使ってるので彩度が同じで絵にくすみがないとか、大量のモブシーンの中に一部、横を向いたり正面を向いたりしている顔があるとか、絵に添えられているコメントに身も蓋もないモノが多くて実に古き良きゲーム業界っぽいとか、いろいろ発見があっておもしろい。おまけでNHKかどっかが作ったドキュメンタリーがビデオ放映されていて、実際の制作風景とかが見られるんですけど、もう手が速くて全然迷いがないというか、見ていて笑っちゃうくらい絵が上手い。ドット絵ちぎり絵の相関関係にいろいろ妄想たくましくしてくださいw もう是非に。10/9までなのでお早めにどうぞ。
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