日々つれづれ2

はてなダイアリーから引っ越しさせました

Nikon F801s

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話は前後しますが、2000年ごろから突如として日本に(東京に?)中古カメラブームが起こります。もしかしたら、もっと前からあったのかもしれませんが、自分の感覚ではこの頃だったような気がします。カメラ雑誌で中古銀塩カメラの特集が組まれ、ムックや単行本やエッセイ本などが出たりしました。行きすぎたデジタル化への反動だったのでしょうか? まだ微妙にデジタル一眼レフが高価だったことも背景にあったのでしょうか? 当時はまだCoolpix 950がメインマシンでしたが、今ひとつ面白みにかけてしまい、

「久しぶりに銀塩カメラで撮影してみたいなあ……」

という、人生で初めての「カメラ欲しい病」にかかってしまいました。

ここで本来であれば売ってしまったFM2を再度、買い直すのが筋だったと思うんですが、当時好きだったカメラマンが書かれた中古カメラのレビュー本でNikon F801がべた褒めされていて、気になりました。そうなると検索エンジンでも気がつけばF801を検索して、ブログなんかを読んでしまう。ヤフオクでもついつい、値段をチェックしてしまうという事態に陥るわけです。「F801を買うなら後継機のF801sだよなあ」なんてひとりごちて、もう買う前提で脳がバインドされていたりします。んでもってある日、ついにヤフオクでポチってしまったのでした。記録によると2002年のことです。

モノが届いたときは嬉しかったですね。もっかい銀塩カメラの世界に戻ってきたんだぞー的な。あと、もっかいニコンのカメラを使うようになったぞー的な。レンズも一緒にポチりまして、シグマの24-70mmとニコン純正の70-300mmをそろえました。本体とあわせて3万円くらい使ったような気がします。冷静に考えれば、その3万円でもっと有意義な使い方が出来た気がしますが、夢中になっているときは気がつかないんですよね。

このカメラの最大の特徴は、まあいろんな本に書かれていますが、ファインダーがとにかく明るくて大きくて見やすいことでした。世界初の1/8000電子シャッターを搭載し、上位機種でフラッグシップモデルのF4のサブカメラとして使うプロも多かったようです。まあ、アマチュアにはそんな話はどうでもいいんですが、とにかくいろんなモノにピントをあわせて空シャッターを切って遊んでいました。マニュアルレンズをつけて散歩カメラにする人が多かった(今でも多い?)というのもわかる気がします。

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んでもって実際の撮影なんですが、その頃ちょくちょく通っていたサバゲーに持っていって戦場カメラマンごっこをしたり、近所の大学の学園祭に行ってスナップを撮ったり、動物園に出かけていって動物や子どもをスナップしたりしました。プリントが上がってきて思ったのは、やっぱりボケが気持ちいいこと。1/2.5インチの豆粒みたいなFZ-20の映像素子と35mmフルサイズの銀塩フィルムですからね。そりゃ比べる方が野暮というもんです。しかし、改めて「そうだよなー写真ってこういう写り方をするんだよなー」と、じーんと来たりしたもんでした。

あと、あらためてスキャンしてみると、隅々までシャープに写ってますね。色も深みがあって味わい深い! ネガフィルムなんですけどね。やっぱりニコン、やっぱり銀塩って感じです。

ただ、ランニングコストの高さには勝てず、すぐに使わなくなりまして……。そのうちD80を購入すると、何年も棚に置きっぱなしになってしまいました。カメラよりも不憫なのはレンズでして、このまえD750を買って久々につけたところ、シグマ24-70mmの後玉がうっすら白く濁っていて、ナチュラルソフトフォーカス状態……。物欲に負けて散財したあげぐ使えなくなった(まだカメラ自体は使えるけど)駄目なパターンだったと反省しております。いつかマニュアルレンズをつけて散歩したいです(懲りてない)。