日々つれづれ2

はてなダイアリーから引っ越しさせました

Nikon D750

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D80を購入後、Stylus1を経てD5500に至るまでにしばらく時間が空いた理由として、ずぶずぶと銀塩カメラ沼にはまってしまったことがありました。詳細は後ほど書くとして、わずか1年強の間に5個も6個も中古をポチってしまい、フィルム消費量がガンガン増加した時期がありました。ヤフオクで買った数千円(時には数百円)のカメラが、びっくりするような色味の絵をたたき出してくれたからです。それに比べるとデジカメ(特にD5500)の絵は、どうにもつるんとしていて、好きになれませんでした。Lightningで色味を弄ってみても、それは同じでした。

フルサイズ症候群にハマってしまったのも、そんな時期のことです。「D5500の絵がノッペリしているのは、つまるところAPS-Cだからだ」→「フルサイズ機であれば、銀塩カメラのような絵が撮れるに違いない」そんなふうに一度思い込んでしまったら、もう止まらない。フルサイズ機を買うにしても同じニコンという思いがありましたので、気がついたらD750をポチっていました。2017年6月のことです。D5500を購入した、わずか1年後のことですね。まったく、1台のカメラで5年も6年も写真を撮っていたのがウソのようですね……。

 

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でもって結果はどうだったのかというと、これが大当たりでした。D750と同時にヤフオクNikon AF NIKKOR 50mm F1.8Dをポチりまして、さっそく本体に装着して試写してみました。その時の一枚が近所の猫です。鼻筋がきりっとしていて、思いがけず良い感じに撮れました。色味もコッテリとしていて、隅々まで光を集めているという感じです。客観的に見てD5500の絵とそんなに違いがあるかと言われたら、今ひとつ自信が無いんですが、良いんですよ趣味の写真だからw この時から自分はフルサイズ信者になりました。良いですよフルサイズ。迷ったら買えって感じです。

 

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ただ、フルサイズ機で良く言われるのが、APS-C機よりもレンズが割高なことです。D750にはAF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRという素晴らしいキットレンズがありますが、少しでも安く購入したかったので、買ったのはカメラ本体だけでした。そこで購入したのが貧者のF2.8ズームことタムロン SP AF28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACROです。実売4万円以下でこの解像度ですよ奥さん! ぶっちゃけ自分のD750には、このレンズが着けっぱなしになっています。

 

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実際、フルサイズ機が生きるのがこうした光が乏しい夜間の撮影です。細部までしっかり映っていて、APS-C機だとこうはいかない。手ぶれ防止機能がない? そんなもの、ISO値を上げてシャッタースピードを稼げば良いんですよ、フルサイズなんだからw 正直でかくて重くて取り回しがしにくく、可動式液晶モニターを使用しての撮影も、D5500が圧倒的に利便性の面で上回ります。それでも、細部までクッキリと映り、色のりがよく、高感度特性が高いのは他に変えられません。フルサイズならではですね。それに他のフルサイズ機と比べたら、D750の取り回しの良さが光りますし。 

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f:id:kono3478:20170721085200j:plainこうした理由から仕事ではD5500を使うことが多いんですが、インタビュー取材などでポートフォリオ撮影を行う必要があるときは、必ずD750を使用しています。プロカメラマンではないとはいえ、せっかく人の顔を取らせていただくんだから、少しでも綺麗に撮りたいじゃないですか。それにごっついカメラで、モノブロックのストロボを炊いて撮影すると、撮られる側も非日常感が出て嬉しいと思うんですよね。というわけで使用頻度は低いものの、仕事で欠かせないカメラの一つになっています。

 

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あとは実家に帰省したときに良く使用しています。なんというか、いろいろ記録して残しておこうという時に、頼りになる一台です。ちなみに、この3枚はいずれも50mm一本勝負。肌のカサカサ具合とか、皺の刻まれ具合とか、単焦点レンズならではの、きりっとした絵になっています。1枚目はノーフラッシュ、2枚目と3枚目は外付けストロボのSB-300を炊いて天井にバウンズさせています。フルサイズ機でも小さいストロボを忍ばせていると、いろいろ小技が効いて便利ですよ。オススメです。

Nikon D5500

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良いカメラの定義とはなんでしょうか? 答えは星の数ほどあると思いますが、こと自分にとっては「仕事のカメラと遊びのカメラの評価軸は別」と断言できます。それを実感したのがNikon D5500です。映像素子にAPS-Cを搭載し、バリアングル液晶を備え、ファミリー向けのスナップ機という位置づけながら、上位機種にも迫る性能を備える一台・・・。こんなふうに書くとすごく良いカメラのように感じられますが、実際良いカメラなんですが、優等生過ぎて面白みがないというか・・・人の好みって難しいですねw

このカメラを買ったのは2015年のゴールデンウィークで、いいかげんD80に飽きてきたのと、もう少し軽い一眼レフがほしくなったからでした。そんな時にWebで「小型・軽量・持ちやすい」というレビューを読み、実際に量販店で触って実感したこと。そして例によってイベント取材などで使っている人を見かけたので、意を決してAmazonでポチりました。発売されたのが2015年の2月なので、自分にしては珍しく、「出て、すぐ買った」形ですね。Stylus1がお釈迦になった直後で、良いタイミングでした。

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実際に触ってみたところ、本機種のために新設計された標準ズーム、AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR IIの「沈胴式」という構造も手伝って、予想以上にコンパクトなように感じられました。その後、D5500を取材で使い始めて、あらためて感じた長所が次の2点です。

  1. バリアングル液晶とタッチセンサーの組み合わせが非常に使いやすい。腕を伸ばして液晶を見ながらフレーミングして、タッチしたらそこにピントが合って、パシャッと撮れる・・・この一連の流れが取材に最適です。Stylus1のチルト液晶も良かったのですが、実際にシャッターボタンを押さなくてもいいので、D5500の方が高さが稼げます。その後D750も購入しましたが、画面タッチでフォーカス&シャッターという点でいえば、D5500の方が断然高性能ですね。
  2. 有効2160万画素のCMOSセンサーが強力。講演取材などで被写体に近づきにくいシーンでも、RAWファイルで撮影して後からトリミングすることで、標準ズームでもWeb媒体程度であれば、問題なく使えることがわかりました。これによりD80の時に愛用していたAF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VRはすっかり出番がなくなりました。以後も標準ズームが着けっぱなしになっています。実際、D5500のコンパクトさを生かすのであれば、望遠ズームは不要かと思います。

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また、D5500を使い始めた頃から、撮りためたデータをAdobe Lightroomでレタッチするようになりました。そこで覚えたテクニックが台形補正です。Photoshopを使っていなかったので、この機能にはホントに驚きました。そして、被写体に対して正対し、水平・垂直をしっかり出すことで、写真がぐっと映えることを実感しました。まあ、そうはいってもレンズのせいで歪んじゃうんですが、レタッチすることで、これがビシッとなる! デジタルってホントにすごいですよね。良い時代になったモノです。

ちなみに自分はD5500に外付けストロボのSPEEDLIGHT SB-300を組み合わせて使用しています。こちらも小型ながら前後にヘッド部分の角度が変えられて、手軽にバウンス撮影ができる優れモノです。GN18ですが、スペック以上に光が回る感じで、重宝しています。余談ですがデジタルになって、みんな室内でもノーフラッシュで撮るようになりましたが、ちゃんと外付けストロボを使った方が良いと思うんですよね。その場の雰囲気は飛んじゃいますが、しっかり、綺麗な絵を撮るのが大事だと思いますので・・・

 

RICOH GXR

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STYLUS1を購入した2014年の暮れに、SNSで久しぶりに連絡があった知人からデジカメを安く譲り受けました。それがRICOH GXRです。そのころ著名カメラマンでエッセイストの田中長徳氏にハマっていたので、GRシリーズがすごいらしい的な話は知っていました。GXRはそのリコーが新機軸のカメラとして2009年末に発売した製品で、すでに結構ロートルになっていましたが、根強いファンがいました。すでにSTYLUS1で十分満足していましたが、せっかくなので購入してみました。そして、その違いに驚きました。

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始まりは本体とRICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VCのセットでした。同社のコンデジであるGX200と同じ光学ユニットを備えていて、映像素子に1/1.7型のCCDを搭載しており、これだけだと単なる「かさばるコンデジ」です。それでも手軽に撮影できるのと、ハマればシャープな絵を撮ってくれること、そしてフィルターが創り出す絵(特にハイコントラストのモノクロ)がおもしろく、半年くらいこの状態で使っていました。

ただ、仕事にはまったく適さなかったですね……。光学3倍ズームなのはいいとしても、AFが遅くてシャッターを押すと「ジコッ」とワンテンポずれるのが致命的でした。かたやSTYLUS1を持っているのに、GXRを使うメリットを感じませんでした。ただ、この使いにくさが一種の愛嬌というか、STYLUS1にない癖みたいなものを感じたのも事実でして……。仕事はSTYLUS1、旅行やスナップはGXRと、次第に使い分けていくようになりました。

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もっともGXRの最大の特徴は「ユニット交換式」という点にあります。そこで、当初からGR LENS A12 50mm F2.5 MACROを購入するのは既定路線でした。2015年の春くらいだったと思いますが、ヤフオクでフィルター付きの並品を割安価格で入手しました。んでもって改めて痛感しました。「GXRは仕事に向かない」と……。噂には聞いていましたが、AFが遅い上に迷いまくるんですよ。ジーコジーコジーコと……。

ただ、出てくる絵は素晴らしい物がありました。APS-Cサイズの映像素子と8群9枚のレンズとのカップリングで、GXRの小型・高画質コンセプトを体現したユニットでした。そういえば久々に買った50mmの単焦点レンズでもありました。その意味でもSTYLUS1とは好対照でした。そうそう、D80を使わなくなって、APS-Cで50mmが欲しかったんですよね。街取りで50mm一本勝負に久々に挑戦する機会が増えました。

また、丁度その頃にマクロレンズに興味が出始めていたのも、このレンズユニットを購入した動機の一つでした。最初は何でもかんでも絞りを開放で取っていたため、絵が溶けまくって意味不明な写真を量産していましたが、次第になれてくると、今まで気づかなかったミクロの世界が待っていました。花や植物をとる楽しさに目覚めたのも、このレンズユニットのおかげでした。小型軽量でレンズが明るいので、よくレストランや居酒屋にも持っていって、料理の写真を撮るようにもなりました。

もっとも、日中で撮っていると液晶が反射してしまい、ピントの山がわからなくなりがちでした。そこで意を決して、専用外付け電子ビューファインダーのVF-2を購入しました。たしか、これだけで結構良いお値段がしたんですよね……。まあ、おかげで日中でも心置きなくマクロ撮影が楽しめるようになりました。

 

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こんなふうにGR LENS A12 50mm F2.5 MACROはGXRユーザーをして「このレンズを使いたいがために買った」というキラーアイテムでしたが、もう一つGXRにはウリがありました。それがGR LENS A12 28mm F2.5です。GRシリーズと同じ28mmのレンズユニットで、自分としてもぜひ使ってみたいと常々思っていました。そこでこれまた意を決して、2016年くらいだったと思うのですが、ヤフオクでポチりました。結果はこれまた予想以上で、出てくる絵の素晴らしさに驚かされました。

 

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GR LENS A12 28mm F2.5では被写界深度についても改めて学びました。液晶で被写界深度を確認することができたので、F11くらいに絞ればパンフォーカスで映るという意味が体感できました。GRシリーズがスナップシューターに向くという意味が、この時に改めて理解できたのです。AFに頼らなくても、マニュアルでパシャパシャ撮影すれば、それだけで綺麗な絵が撮れるのは非常に痛快でした。フィルムを気にしないですむデジカメの特性を活かして、ノーファインダーで良く撮るようになりました。

GXRを使っていて、嬉しい誤算もありました。知り合いのベテランカメラマンが、自分は使わないからと、ファインダーのGV-2をプレゼントしてくれたのです。外付けファインダーを使うと、カメラ本来の「ファインダーを覗いて撮影する」というスタイルが可能になります。当然素通しのガラスなので、近距離だとパララックスが発生しますが、そこもまた味でした。そのうちに、より像が大きく見えるGV-1が欲しくなり、迷ったあげくに購入してしまいました。結果はこれまた予想以上で、写真を撮る楽しさが増しました。

こんなふうにGXRはシステムカメラの「徐々に買い足していく」楽しさを教えてくれたカメラでした。STYLUS1がサービスセンターでドナドナされていった後も、我が家で現役カメラとして活躍中です。ただ、GXRにはもう一つ、RICOH GXR MOUNT A12というMマウント互換のシャッターユニットがあるんですよね。「Mマウントのレンズなんて自分には無縁」だと思っていましたが、後日ライカM4を購入することになり、我が家に都合3本のMマウントレンズがやってきました。

GXR MOUNT A12を買うべきか、買わざるべきか……。仕事にはまったく使えないわけですが、趣味だからこそ使ってみたい。ただ、2011年発売で、何世代も前の製品なんだよなあ……。そんなこんなで、レンズユニット沼に足を踏み入れることになった一台になった、GXRは魔性のデジカメでした。

OLYMPUS STYLUS1

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これまでいろいろなデジカメを使ってきて、ある程度自分の趣味嗜好がわかってきました。水没したNikon D80も乾かせば使えるようになりましたが、液晶の表示が不鮮明だったりして、今ひとつ信頼性に欠ける感じでした。自分にとって本当に必要なデジカメって何だろう……と考え、当時列挙してみた条件が下記となります。

  1. 小型・軽量・納得感のある価格
  2. 明るくて高倍率のズームレンズ搭載
  3. ホットシュー搭載
  4. ファインダー搭載
  5. チルトまたはバリアングル液晶
  6. 高感度特性に優れる

まあ、早い話が以前にも書いたPanasonic FZ-20が自分にとって理想に近かったわけですね。そして当時、「全部入りの優等生コンデジ」として高い評価を受けていたのがOLYMPUS STYLUS1でした。ちょうど後継機のSTYLUS1sが発売された頃で価格が下がっており、ファームウェアのアップデートで同じ機能になると知り、購入に至りました。E3から帰ってきてすぐ、2014年の8月くらいだったと思います。

kono3478.hatenablog.com

STYLUS1はホントにホントに良かったですね。写真にあるとおり、手のひらに収まる大きさにもかかわらず、35mm換算で28〜300mm F2.8の高倍率かつ明るいズームレンズを搭載しており、しかも沈胴式を採用。おまけにレンズキャップが自動開閉式という、かゆいところに手が届く設計でした。いつでも鞄に入れて持ち歩いていました。

もっとも小型化ゆえに映像素子は1/1.7型という限界がありましたが、光量がたっぷりあれば、かなりシャープに映るんですよ。薄暗いところはホットシューに外部ストロボを取り付けて撮影すれば良いですし、液晶ビューファインダーも見やすかった。AFも速くて、露出もまあまあ正確。自分にとって文房具みたいなデジカメでした。

ただ、個体差なのか何なのか、とにかく壊れやすかった。そして修理費が高かった。ストロボの電池カバーの爪がちょっとかけただけなのに、サービスセンターに持っていったら数千円もとられたのは泣けました(しかも2回やった)。またバリアングル液晶を支えるヒンジが左右1回ずつ壊れました。普通に使っていただけなんですけどね……

最後はレンズカバー部分のパーツが根本からパカッと壊れて、サービスセンターに持っていったら製造終了を理由に、OLYMPUS Penシリーズの中の普及モデル、E-PL5と交換されてしまいました。2016年11月のことです。映像素子が3/4型になった以外は正直使いにくくて、思わずこんなブログを書いてしまったほど。2年3ヶ月の短いつきあいでした。仕事の道具なら耐久性も大事だと思い知りました。

gamewriter.jp

あえていえば優等生すぎて、面白みに欠けるきらいはありましたが、仕事の道具ならそれでいいんですよ。パッと構えて押せば写る、なんて素晴らしい響きでしょうか!  正直、STYLUS1と同じコンセプトでAPS-Cサイズの映像素子が載ったデジカメが発売されたら、飛びつくと思います。ただまあ、オリンパスではPENシリーズと被るから作らないんだろうなあ。どこか、作ってくれないですかね、ほんと。

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ちなみに書いた後で気がついたんですが、同じようなコンセプトで2017年にCANON PowerShot G1 X Mark IIIというデジカメが発売されていたんですね。APS-Cセンサーで、光学3倍ズームながらデジタルズームが実用的らしい。映像素子が約2420万画素もあるので、Webメディアなら十分実用的ですしね。ただレンズが全域F2.8じゃない(F2.8~F5.6)のか。うーん……

www.amazon.co.jp

https://cweb.canon.jp/camera/dcam/lineup/powershot/g1xmk3/

 

 

CANON Powershot G11とS90

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前回書いたようにNikon D80で2008年にデジタル一眼レフデビューを果たして、しばらく快適に使っていたのですが、だんだん辛くなってきました。一番ショックだったのは、カメラバッグごと電車に忘れてしまったことですね。たしか2~3回やらかして、ついに見つからなかったことも。前にも書きましたが、それでD80を買い直したこともあったほどです。

そこから得た教訓は「荷物を一つにまとめること!」。そこで、ちょっとした取材向けに高級コンパクトデジタルカメラを買うことにしました。その時の条件が下記の通りです。いろいろとリサーチをした結果、CANON Powershot G11を購入することにしました。

d.hatena.ne.jp

最大のポイントは高感度対応でした。前機種のG10が約1500万画素のCCDを搭載していたのに対して、G11のCCDは約1040万画素に減少した一方、新映像エンジン「DIGIC 4」を搭載していたんですね。これにより、夜間に強くなった(ノイズが減った)というのがウリでした。

まあ、CCDのサイズが1/1.7なので限界はあったと思いますが(一説にはG10に比べて約2段階ほど高感度性能が上がったとのこと)。ついつい煽られて買ってしまいました。デジカメの歴史の中で、モデルが進化して画素数が下がったなんて、たぶん初めてのことだったと思いますしね。フリースタイルの液晶モニターが搭載されていたり、二段階ダイヤルの採用で銀塩カメラ風の手触りがあったりしたのも高評価でした。

上の写真を見るとわかりますが、サイズ的にもコンタックスT2と同じくらいでした。電源をオフにするとレンズがウイーンとボディ内に沈胴するのも同じで、カバンにひょいっと入れて、よく取材に持ち出していました。コンデジだけにマクロに強いのもポイントで、山歩きに持って行って、ちょっと歩いてはパシャ、ちょっと歩いてはパシャを繰り返していたら、とうとう頂上までたどり着かなかったのも、今となっては良い思い出ですW 

photos.app.goo.gl

 

photos.app.goo.gl

こんな風に当時の高級コンパクトデジタルカメラとしては非常に完成された一台でしたが、チャイナジョイ2010の取材に持っていって、忘れて帰ってきてしまいました。買って1年以内になくしたことになります。惜しいことをしました……。

 

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というわけでG11を失い、またまたNIKON D80がメイン機になったわけですが、やっぱりサブカメラは必要だということで、次に買ったのがCANON S90です。G11と同時期に出たコンデジで、同じ映像素子と画像エンジンを持ち、「コンパクトだけど高画質」な点がウリでした。

また、S90にはG11と同じく銀塩カメラの手触りが残っていました。それが電子ダイヤル機能がついた前面コントローラーリングです。ズームや絞りなどを切り替えられ、カチッ、カチッと回して設定を変えられる点が高評価でした。やっぱり手触り感って大事だと思うんですよね。後継機種のS95では、それまでデジタル一眼レフにしかついていなかった手ぶれ防止機能が初めてコンデジでも搭載されて、それはそれで悔しい思いをしましたが、けっこう重宝して使っていました。

S90はまた別の意味で転機となったカメラでした。実は2014年のE3に取材に行った時、D80とスピードライトSB-700を水没させてしまったんですよ! 会場でもらったペラペラのナップザックに、カメラとミネラルウォーターのペットボトルを入れていたら、いつの間にかペットボトルの蓋があいていて、どちらもぐっしょり。SB-700はサクッとお釈迦になり、D80も液晶部分が不鮮明で、とても安定して使えたものではありませんでした。

あー、これで今年のE3は終わった……と思ったんですが、幸いS90はポケットに入れていて無事でしたので、これを片手に取材を続けました。するとびっくり、けっこう綺麗に写真が写るんですよね。ちょっと暗い場所では途端にノイジーになりましたが、ブースを撮影するくらいなら無問題。Webメディアに掲載する用途であれば、わざわざ大きなデジタル一眼レフを持ち歩かなくても良いことを再認識しました。

 

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というわけで、帰国後にD80に変わるメインカメラを、コンパクトデジタルカメラというカテゴリーの中から探すことになります。

ちなみに、こんなに高評価のS90も、気がつけば紛失していました……。少なくとも2010年から2014年まで4年間使ったので、良いタイミングだったのかもしれません。

NIKON D80

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前にも書きましたが自分はデジカメに関しては完全に世間のブームに一歩も二歩も遅れてついていく方で、FZ-20を買ったのも同業者の間でFZ-10が流行っていたからでした。その後、海外取材にちょくちょく出かけるようになって、E3やGDCデジタル一眼レフの割合が年々、増えていくさまを実感するようになっていきました。実際、それまでは高値の花だったデジタル一眼レフが次第に本体で10万円、レンズキットで15万円を切るようになり、がんばればサラリーマンでも買える価格帯になっていきました。

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ニコンから発売されたD80はまさにそんな時代を象徴する一台だったと記憶しています。2006年9月発売、ボディの実売価格は12万円前後。D200ゆずりのファインダー倍率0.94倍という、APS-C機では最高峰のペンタプリズム式ファインダーに、10.2メガピクセルという丁度良い解像度のカップリング。FZ-20のEVFに慣れた目には、ガラスの素通しというファインダーがかえって新鮮でした。がっしりとして、手になじむサイズ。他のメーカーの機種も魅力的でしたが、やっぱりニコンという思いがありました。

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ただしFZ-20と同レベルの望遠レンズを購入するには、ダブルズームキットを買うしかありません。もっとも、プレスカンファレンスのような場所でなんどもレンズを付け替えるのは難しいだろうという懸念がありました。また外付けの大型ストロボを購入する必要があったため、総額がけっこう膨らみそうでした。悩みに悩んで2008年の1月に、本体とAF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VRとSB-800を23万円で入手しました。これで念願のデジタル一眼レフを入手できたのでした。

 

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買ってすぐ、喜び勇んで近所の川に試し撮りに行きました。川面で羽ばたくカモが望遠レンズでバッチリ撮影できて感動しました。帰ってすぐにPCのモニタでチェックしてみて、すげえの一言でしたね。撮った写真がぴったり、しゃっきり、しかも立体感をもって写っている!  コンデジの豆センサーとの違いにビックリしました。後にも先にもカメラを買い換えて、こんなに画質が上がったと感じられたのは、今のところこれが最初で最後だったと言い切れます。後日ミラーレス一眼レフが同じロジックで躍進するのは周知の通りです。

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 このカメラはFZ-20に負けず劣らず、世界のいろんな場所に取材で連れて行きました。一番の思い出といえば新婚旅行でタイのプーケットまで持っていったことですかね。周りのひんしゅくも省みず、ズームレンズを駆使してバシャバシャと取りまくっていました。あまりに馴染んでいたので、一度電車の中で置き忘れて紛失した時も、ヤフオクで同じセットを購入したほどです。すでにD3000系が発売されていましたが、ニコンの歴代デジタル一眼レフの中で、D80はある時代の最後を飾ったカメラでもあったことに、なんというか気概を感じていたからです。理由は主に下記の3点です。

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・後継機のD90から、映像素子がCCDからCMOSになった。

・同じくD90から録画機能がついた。

D3000以降になるとファインダー倍率が約0.8倍に下がっしまった。

これだけ良いなあと思っていたD80も、さすがに7年間使うとだんだん飽きてきたというか、バリアングル液晶いいなあと思うようになり、D5500を購入することになります。というわけで今では防湿庫の奥底に眠っていますが、改めて振り返ってみて、いいカメラだったなあと思うのでした。

 

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Nikon F801s

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話は前後しますが、2000年ごろから突如として日本に(東京に?)中古カメラブームが起こります。もしかしたら、もっと前からあったのかもしれませんが、自分の感覚ではこの頃だったような気がします。カメラ雑誌で中古銀塩カメラの特集が組まれ、ムックや単行本やエッセイ本などが出たりしました。行きすぎたデジタル化への反動だったのでしょうか? まだ微妙にデジタル一眼レフが高価だったことも背景にあったのでしょうか? 当時はまだCoolpix 950がメインマシンでしたが、今ひとつ面白みにかけてしまい、

「久しぶりに銀塩カメラで撮影してみたいなあ……」

という、人生で初めての「カメラ欲しい病」にかかってしまいました。

ここで本来であれば売ってしまったFM2を再度、買い直すのが筋だったと思うんですが、当時好きだったカメラマンが書かれた中古カメラのレビュー本でNikon F801がべた褒めされていて、気になりました。そうなると検索エンジンでも気がつけばF801を検索して、ブログなんかを読んでしまう。ヤフオクでもついつい、値段をチェックしてしまうという事態に陥るわけです。「F801を買うなら後継機のF801sだよなあ」なんてひとりごちて、もう買う前提で脳がバインドされていたりします。んでもってある日、ついにヤフオクでポチってしまったのでした。記録によると2002年のことです。

モノが届いたときは嬉しかったですね。もっかい銀塩カメラの世界に戻ってきたんだぞー的な。あと、もっかいニコンのカメラを使うようになったぞー的な。レンズも一緒にポチりまして、シグマの24-70mmとニコン純正の70-300mmをそろえました。本体とあわせて3万円くらい使ったような気がします。冷静に考えれば、その3万円でもっと有意義な使い方が出来た気がしますが、夢中になっているときは気がつかないんですよね。

このカメラの最大の特徴は、まあいろんな本に書かれていますが、ファインダーがとにかく明るくて大きくて見やすいことでした。世界初の1/8000電子シャッターを搭載し、上位機種でフラッグシップモデルのF4のサブカメラとして使うプロも多かったようです。まあ、アマチュアにはそんな話はどうでもいいんですが、とにかくいろんなモノにピントをあわせて空シャッターを切って遊んでいました。マニュアルレンズをつけて散歩カメラにする人が多かった(今でも多い?)というのもわかる気がします。

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んでもって実際の撮影なんですが、その頃ちょくちょく通っていたサバゲーに持っていって戦場カメラマンごっこをしたり、近所の大学の学園祭に行ってスナップを撮ったり、動物園に出かけていって動物や子どもをスナップしたりしました。プリントが上がってきて思ったのは、やっぱりボケが気持ちいいこと。1/2.5インチの豆粒みたいなFZ-20の映像素子と35mmフルサイズの銀塩フィルムですからね。そりゃ比べる方が野暮というもんです。しかし、改めて「そうだよなー写真ってこういう写り方をするんだよなー」と、じーんと来たりしたもんでした。

あと、あらためてスキャンしてみると、隅々までシャープに写ってますね。色も深みがあって味わい深い! ネガフィルムなんですけどね。やっぱりニコン、やっぱり銀塩って感じです。

ただ、ランニングコストの高さには勝てず、すぐに使わなくなりまして……。そのうちD80を購入すると、何年も棚に置きっぱなしになってしまいました。カメラよりも不憫なのはレンズでして、このまえD750を買って久々につけたところ、シグマ24-70mmの後玉がうっすら白く濁っていて、ナチュラルソフトフォーカス状態……。物欲に負けて散財したあげぐ使えなくなった(まだカメラ自体は使えるけど)駄目なパターンだったと反省しております。いつかマニュアルレンズをつけて散歩したいです(懲りてない)。